上手くなりたい、でもそれだけでいい――心を整えるための編む時間

クロバー「アミュレ」のかぎ針2本と、ウール100%の毛糸玉3個。 古民家暮らし
当サイトはプロモーションが含まれています。

私と編み物の付き合いは、気づけば40年以上になります。だからと言って、特別な技術が身についたわけでも、プロのように上手くなったわけでもありません。ただ私にとって編み物は、冷静さを取り戻したり、不安な気持ちを落ち着けたりするための大切な「心のよりどころ」でもあるのです。

古民家にゆっくりと流れる、編みもののひととき

一年中、場所を変えながら編むことを楽しんでいます。春と冬は、南側にある縁側で柔らかい日差しを浴びながら暖を取って編んだり、夏は涼しそうに思える北側の部屋の明るい窓際で綿や麻糸などを使って編んだりします。秋は目の前の山に広がる美しい紅葉を見ながら編むのですが、糸の色選びのヒントになる時もあって楽しいです。そして、静まった夜の時間に編むと深く一人の世界に浸って特に安らぎます。自然を感じながら編む時間がとても贅沢で気に入っています。

「ゆっくり丁寧に編んで綺麗に仕上げてみよう」とか「少し慣れたのでスピードを上げてみよう」と思って編んでいると夢中になりすぎて「あと一目、あと一目…」と止められなくなり、睡眠時間が減ってしまったり買い物へ行きそびれたりすることもあります(笑)。

幼い日からの糸を、たどりながら

編み物との出会いは、幼いころに祖母から教わったかぎ針編みでした。それが嬉しくて、10代になると今度は自分で棒針編みに挑戦しました。決して器用に編めるわけでもなく、何度も目を落として編み直す。そんな不器用なまま、今日まで来たように思います。

かぎ針編みの話

かぎ針編みは、早く編めて、間違ってほどいてもやり直ししやすく、精神的ダメージが少ないのが良いところです。母もかぎ針編みをするので、時々編み方を教わったり、作品を見せ合ったりする時間がとても楽しいです。

かぎ針編みは始めやすいようで、私の周りはかぎ針派が多いです。本を貸してもらったり編み図をもらったり……。以前、若い女の子に自分で編んだ!というリボンのついた小さな巾着をもらった時は、とても嬉しかったです。編み物で心温まる交流ができるっていいですね。

本との出会い

ある日友人が「素敵なバッグよ!」とSNSの写真を見せてくれて、その手編みのバッグの美しさに目を奪われました。一つ一つ丁寧に、綺麗に細編みで編まれているバッグを見て感動し、「こんなバッグを編んでみたい!」と光が降りてきました(笑)。何年も遠ざかっていた編み物でしたが、気持ちが前のめりになり、再び針を持つことにしました。

作られている方をチェックすると「BEYOND THE REEF ビヨンドザリーフ」さんというお店でした。使われている糸を調べ、かぎ針を用意し編んでみたものの、なかなか上手くいかず……。編み図もなく感覚だけで編むのは、やはり無謀だったようです。

『ビヨンド ザ リーフ バッグスタイル』を開きながら

「全然綺麗に編めない……やっぱり編み図がないと細かいところは分からないし、もうやめようかな…」と思っていた頃、なんと『ビヨンド ザ リーフ バッグスタイル』という本が出版されると知りました。薄れゆく気持ちが再びよみがえり、すぐに予約注文しました。

手にした本は、センスの良いファッション雑誌のようで洗練され、編み図もしっかり載っていて、編んでいる間も心が弾みどんどん進みました。

次々といくつかの作品を編んでいく中、巾着型の可愛いバッグがあり、編んでみたくなりました。いつもは編むことだけでも達成感を味わっているのですが、今回の巾着は実際に使ってみたくなったのです。ちょうどその頃イエローの靴を買ったので、イエローの糸を使って編むのもいいかな、という軽い気持ちで編み始めました。

出来上がってみると、ちょっと近くに行く時や携帯入れとしても使えて大活躍。靴と合わせてもなかなか良い相性で、数年経った今でも出番があります。

マニラ麻100%のオフホワイトとイエロー糸で編んだ巾着ポシェット。
イエローの糸が、心を少し明るくしてくれる。

この本には、他にも編みたくなる作品がたくさん載っています。編み図を眺めているだけでも、次はどれを編もうかと心が弾みます。手元に置いておくと、ふとした時間に開きたくなる一冊です。

楽天市場「ビヨンドザリーフのバッグスタイル」はこちらから。

Yahoo!ショッピング「ビヨンドザリーフのバッグスタイル」はこちらから。

棒針編みの話

かぎ針に比べて出来上がりまで時間がかかる棒針編み。けれど、機械編みのような美しい仕上がりに、何度もチャレンジしてしまいます。棒針2本で編むのはもちろん、時には4,5本の針で編んだり、マジックループを使ってみたりと、用途に合った道具がいろいろあるのも面白いところです。

かたちのないところから生まれるもの

10代の頃、友人が細い棒針を複数使って何かを編んでいたので声をかけると、「手袋を編んでいる」と言っていました。何本かの棒針で輪を作り、筒のようにして編んでいることを知って、「そんな編み方があるのか!」と驚きました。

「何本かの棒針と毛糸だけで手袋ができる」と知った衝撃から、私も棒針編みを始めました。しかし、間違った時の悲惨さは想定外で、何度もやり直しては挫折し、作りかけのものを見えないところに置き去りにすることもありました。それでも、時が過ぎるとまた引っ張り出して、再び編み始めるのです(笑)。

自分のために編む

「きれいに編み上げて着てみよう、使ってみよう」という気持ちで始めてみたりもするのですが、それ以上に、編むという行為そのものが好きなのです。以前、心が弱った時に、何年も放っておいた編みかけの毛糸を見つけ、なんとなく手に取り編み始めたことがありました。しばらくすると気持ちが落ち着いてきて、余計なことを考えず集中できたのです。

それからは、辛い出来事に気持ちを引っ張られそうな時など、よどんだ頭の中を「編む」という行為に置き換えたり(マインドフルネスみたいなのかな?)、逆に、悩んでいたことの解決策がふと見つかったりすることもあります。

そこに気づいてから、私にとって編み物は、作品を作り上げる楽しさと「自分の心を軽くし、フラットな状態に戻すための大切な時間」になりました。編み上げたものは静かに増え続け、置いてある場所からひっそりと(何か言いたそうに?)私を見守っています(笑)。

クロバー『匠』輪針〈コンボ・ロング〉でウールのブラック糸とコットンラメ入りのパープル糸の二本どりでまっすぐ編んでみる。
マジックループでガーター編み。何を作るか決めていない……ただ編むだけ。

道具へのこだわり

編むことに夢中になると、かぎ針も棒針もいろいろなサイズが必要になってきました。手元に適した号数の針があると気持ちが上がってすぐに取り掛かれますが、無い場合は近い号数の針で編んでいました。

そんな時、100均で様々な号数が売られているのを見つけ「これはいい」と買って使っていました。しばらく使ってみると、編めるには編めますが、長く持っていたら疲れたり、糸によってはかかりにくく感じたりするようになりました。

手に馴染み、心も踊る編み針

編んだものをお披露目することもなく、誰かに貰っていただくわけでもなく、ただ自分のために編んでいる日々。そんな中、動画の「BEYOND THE REEF ビヨンドザリーフ」さんが使っているかぎ針が、いつも気になっていました。「どんな使い心地なのだろう。上級者でもない自分には贅沢なのだろうか。」などと頭の中でぐるぐる考えながら、だんだんと、良い道具で編んでみようかなという気持ちになっていきました。

随分考えた末、「クロバー かぎ針「アミュレ」セット」を買うことにしました。使ってみるとグリップが手になじんで、指も痛くなりません。糸のかかりも良く、編むスピードが上がったようで、さらに楽しくなってきました。

お気に入りのかぎ針を手にしてから、棒針も気になり始めました。その頃はあまり棒針を使う事がなかったのですが、急にニット帽を輪針で編みたくなり、そんな時「クロバー「匠」輪針セット〈コンボ・ロング〉」がまもなく発売になると知りました。ここでもかなり悩みましたが、購入することにしました。

針の号数も充実していて、ジャンボ針もあります。マジックループでは針とコードの取り付け・取り外しが可能で、接合部は緩みにくいというこだわりの作りです。実際に使ってみても、接合部に糸が引っかかることもほぼなく、コードのねじれもなく、針の滑りも良くて、買って本当に重宝しています。

ひとつだけ言うなら

二つのセットを買って本当に良かったと思い、使うたびにワクワクしています。ただ、少しだけ、針の号数と太さ(mm)が見えにくいのが惜しいところです。これは私の老眼のせいかもしれませんが。

かぎ針は数字が刻印されていて見えづらいので、色で号数を覚えるようにしました。棒針は竹に黒い数字が付いていますが、使っているうちに色が薄れてきたのか分かりにくくなってきたので、順番を間違えないように収納を工夫しています。それでもどちらも好きなデザインの針なので、使いながら気分が上がります。

これからも、ただ心を整えるために

編み物は、羊の毛(ウール)を使って寒さから身を守るための防寒着などを手作りしたことから始まったようで、生活の知恵として世の中に浸透していったのだと思います。今では、衣類以外でもたくさんの編み物作品があります。すごい進化です。

私も編み物を自分の心を整えるための「生活の知恵」として、これからも編み続けていきたいと思っています。上手くなりたいという気持ちは、きっとこの先も変わらないでしょう。でも、それだけでいい。ただ糸を手にする時間があれば、十分なのです。

いつもそばに置いてある「アミュレ」と「匠」の針は、これからもずっと、静かな時間を一緒に過ごしていくのだと思います。

楽天市場「クロバー かぎ針『アミュレ』セット」はこちらから。

Yahoo!ショッピング「クロバー かぎ針『アミュレ』セット」はこちらから。 楽天市場「クロバー『匠』輪針セット〈コンボ・ロング〉」はこちらから。

Yahoo!ショッピング「クロバー『匠』輪針セット〈コンボ・ロング〉」はこちらから。

※価格や在庫は変わることがあります。最新の情報は、各ストアでご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました